結局東方Projectって何から入ったらええねんという話
東方って、知らない人からしたらマジでよくわからんコンテンツだと思います。
一応wikipediaによると
『東方Project』(とうほうプロジェクト)とは、上海アリス幻樂団によって製作されている著作物のこと。弾幕シューティングを中心としたゲーム、書籍、音楽CDなどから成る。
とのことだけど、これは正しいようで正しくないかもしれない。
なぜならネットで目につく「東方」は原作シューティングとか原作書籍とかより二次創作の方が多いからですね。例えばゆっくりとか東方ボーカルとかね。
まあ原作の話しかしないクラスタもそこそこ居ますけどね。
なんで今回は、とりあえず東方のキャラとストーリーと楽曲がざっくり把握できるようなルートを考えました。
東方のオタクからの「いや原作やればええやん」という声が聞こえてきます...
それはそう。それはそうなんだけど、東方原作っていわば「カルピスの原液」みたいなもんで、原作者ZUNの濃ゆいエッセンスがしみ出してるんだけど、いきなりこれに触れると免疫のないオタクは"完飲"できない可能性があります。
STGって合わない人は合わんしな。
ということで俺の考えた東方の「カルピス」を味わえるルートがこれ
1. 「幻想少女大戦シリーズ(二次創作PCゲーム)」をプレイする
いきなり二次ゲーやるんかいという気持ちを抑えてとりあえずやってみて下さい。
この作品の東方入門に向いているところは、ストーリーが基本的に原作をなぞってるところですね。あと普通にゲームとして面白いし取っつきやすいです。
東方原作のストーリーやキャラの関係性って結構ふわふわしてて余白が多めなんですけど、その余白の埋め方も最大公約数的でしっくりくるのもグッドです。
東方にはいろんな「考察」があって、このキャラの過去はどうだとか関係性はどうだみたいな、まあ他作品でもよくあるんですが、「幻少」でもところどころ
原作から踏み込んだ描写があるんですが、飛躍しすぎたものはなく、妥当性が高いものが多い印象があります。
さらに「幻少」には「幻想郷縁起」という、まあいわゆる図鑑機能もあるので、キャラの基本情報も読めます。
書いてる途中で気付いたんですけど、コンシューマに移植する予定があるみたいですね。がっつりスパロボだけど大丈夫なんかな。
2. 「幻少」をやって気になったキャラや楽曲の登場する原作をやる
東方はめちゃくちゃキャラ多いんで、「幻少」一通りやったらまあ好きなキャラの一人や二人はできてると思います。
ここでそいつが出る原作をやっていきましょう。
STGは慣れが要りますが、あのクッソ激しい東方原曲を聴きながら苛烈な弾幕を避けるのはマジで楽しいです。テンションブチ上がります。
そして、原作の雰囲気を味わいましょう。「幻少」はストーリーやキャラの大枠は原作に近いですが、セリフ回しや演出が醸し出す「雰囲気」は全く違います。
3. 原作で気になった部分を掘り下げる
そしたら原作をプレイして気になった部分を深掘りしていきましょう。
東方のキャラって設定の余白が多いんですけど、ただ余白が多いんじゃなくて考察するのが楽しい作りになってるのがここまでウケた理由の1つかなと思ってます。
おすすめは東方元ネタwiki。
なぜか神話や民族に詳しそうな東方のオタク、9割ここ見てる。東方の元ネタをめちゃくちゃ細かく掘り下げてくれてます。
例えば、「八雲紫」のページは(一部抜粋)
八雲紫=『神様(巫女)を閉じこめる堅固な囲い』=幻想郷
「結論を言うと八雲紫という名前は、境界を意味する下の名前と併せて『神様を閉じこめる堅固な囲い』を表しているんだ。
神様を巫女に置き換えればまさに幻想郷の構図だね。紫は決して幻想郷から巫女を逃がそうとはしない」
霊夢は黙ってしまった。思い当たる節はいくらでもあるのだろう。
―東方香霖堂 「八雲立つ夜」
- 八
- 八という字自体に「物事を二つに分ける」の意味がある。
- 例えば境界の「界」にも八が使用されている。
- 元々「八」という字は「分ける」を意味していたが、時代が下って「多数に分かれた状態(=8)」を意味するようになったため、八の下に刀(分ける道具)を沿えた新たな字「分」を作って使い分けるようになった。
内容はもの凄くシンプルで『幾重にも美しい雲が重なる出雲の国に、我が妻である奇稲田姫(クシナダヒメ)を隠れ住ます為に
八重垣(幾重にも重なった厳重な垣根)の家を造ったぞ』って感じの物だ。
―東方香霖堂 「八雲立つ夜」
出雲と号(なづ)くる所以は、八束水臣津野命詔りたまひしく、八雲立つと詔りたまひき。
故、八雲立つ出雲国と云ふ。八束水臣津野命は国引き神話で有名な神であり、国引き神話と幻想郷の成り立ち(外の世界から土地を引き入れ拡大)もよく似ている。
- 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)
- ギリシア出身の作家で、東洋と西洋の両方に生きたとも言われる。ZUNは東海高校の講演
「同人結界 ~ 東方という作品とゲーム創作幻想」(2005年2月19日)にて、八雲紫とマエリベリー・ハーンとの関係について質問された時、
昔ラフカディオ・ハーンが小泉八雲に改名したことを述べた。- ラフカディオ・ハーンが小泉八雲に改名した理由は、旧出雲国(松江市)に在住していたためとされる。
- 小泉八雲は日本研究家でもあった。日本の伝統を愛し帰化もしたが、近代の国家体制に対しては懐疑的だった。
『ブリタニカ国際大百科事典』では以下のようにされている。
「繊細で敏感な精神をもって、日本人自身が見逃しているような精神構造の機微をついており、独自の価値を持っている。」(中略)
「東京移住後、近代日本に失望して、孤独と憂愁を深めた結果の浪漫的詩魂の表現でもあったと考えられている。」*1
八雲紫の『紫』は虹の最も外側の色だ。虹というのは雄の龍と雌の龍の通り道として
二つの輪っかがセットで現れるんだが、お互いの外側の色が紫なんだ。
二つの虹を纏(まと)めて見ると下から順に見て紫から赤になり、
赤からまた紫に戻る形になっているのだ。虹と空の境界は必ず紫色なのである。
それだけでも自分の名前が境界を暗示しているだろう?
- 橙と藍の境界 橙色(だいだいいろ)と藍色(あいいろ)を混ぜ合わせると、紫に近い色が現れる。
- 橙は夕焼けの色であり、藍は夜空の色。橙と藍の境界「紫」とは、昼と夜の境界?
いや、細かすぎて草。
ともかく、東方キャラの名前とか設定とか、楽曲名とかステージのタイトルとかの「どういうこと???」って部分を解決してくれたりくれなかったりします。
これを読めば、八雲紫の話題になったとき「スサノオがさあ!虹がさあ!ラフカディオがさあ!」と周囲のオタクを威圧できるぞ!うおおおおおお
楽曲については、つい最近サブスクで東方二次創作楽曲が解禁されたので、気になった原曲のアレンジを掘っていけばいいと思います。
正直俺は東方ボーカルはあんまり知らなくて原曲ばっか聴きまくってますけどね。
ちなみに8月からゲームの原曲もサブスク解禁されます(「秘封倶楽部」というサントラシリーズは既リリース済み)。
纏めると、「幻少やって気になったキャラが出る原作をやろう、元ネタ調べるのも楽しいよ」ですね。
居るか知らんけどこの記事を来たるダンマクカグラ新規たちに捧げます...